発疹のない局部的なかゆみ

肌(はだ)のトラブルの多く(おおく)は、発疹(はっしん)です。そして発疹(はっしん)がある場合(ばあい)は、通常(つうじょう)、かゆみが伴い(ともない)ます。しかし、なかには、発疹(はっしん)はないけれども皮膚(ひふ)がかゆいということがあります。このような場合(ばあい)、もちろん、皮膚科(ひふか)の領域(りょういき)の疾患(しっかん)ということもありますが、何か(なにか)内臓(ないぞう)の疾患(しっかん)が原因(げんいん)で皮膚(ひふ)にかゆみが現れる(あらわれる)ことがありますので、かゆみ以外(いがい)の症状(しょうじょう)はないか、注意深く(ちゅういぶかく)観察(かんさつ)して適切(てきせつ)な科(か)を受診(じゅしん)することが大切(たいせつ)です。たとえば、発疹(はっしん)はないけれども皮膚(ひふ)にかゆみがあるというときは、そのかゆみがどのような場所(ばしょ)に、どのように分布(ぶんぷ)しているか、に着目(ちゃくもく)します。たとえば、発疹(はっしん)がなく陰部(いんぶ)・肛門(こうもん)周辺(しゅうへん)にのみかゆみがあるという場合(ばあい)でしかも白色(はくしょく)のおりものが見(み)られる、といった場合(ばあい)は、「カンジダ症(しょう)」が疑わ(うたがわ)れることがあります。黄色(きいろ)のおりものの場合(ばあい)は、「膣(ちつ)トリコモナス症(しょう)」の可能性(かのうせい)があります。これらの症状(しょうじょう)があるときには、皮膚科(ひふか)もしくは婦人科(ふじんか)の受診(じゅしん)が適切(てきせつ)です。ただし、発疹(はっしん)がなく、陰部(いんぶ)・肛門(こうもん)周辺(しゅうへん)のかゆみという点(てん)では同じ(おなじ)でも、夜間(やかん)のかゆみや食欲(しょくよく)不振(ふしん)という症状(しょうじょう)がみられる場合(ばあい)は、「ぎょう虫(ぎょうちゅう)症(しょう)」の疑い(うたがい)があります。これは「ぎょう虫(ぎょうちゅう)」が盲腸(もうちょう)およびその周辺(しゅうへん)に寄生(きせい)し、夜中(よなか)に肛門(こうもん)外(がい)に這い出し(はいだし)てきて肛門(こうもん)周辺(しゅうへん)に産卵(さんらん)することから強い(つよい)かゆみをおぼえるというものです。この場合(ばあい)は、その人(そのひと)の家族(かぞく)全員(ぜんいん)がぎょう虫(ぎょうちゅう)の検査(けんさ)を受ける(うける)必要(ひつよう)があり、内科(ないか)を受診(じゅしん)することになります。一方(いっぽう)、全身(ぜんしん)にかゆみがあり、黄疸(おうだん)(おうだん)や全身(ぜんしん)の倦怠感(けんたいかん)があるという場合(ばあい)は、「肝硬変(かんこうへん)」が疑わ(うたがわ)れます。この場合(ばあい)は皮膚科(ひふか)ではなく、内科(ないか)を受診(じゅしん)すべきでしょう。

肌 トラブル

肌のトラブルの多くは、発疹です。そして発疹がある場合は、通常、かゆみが伴います。

肌 トラブル